このGoogle Sitesは、あのJotSpotの進化した姿だ。Wikiを取り込んだGoogle自前のGroupよりも格段に良い。Groupを使い始めた時は、「これは良い!」と歓迎したが、背景を知らない一般の人が使いこなすのは難しい。何人かを誘ってみたが、その使い方がわからず立ち往生する人が多い。メンバがいなければ、そうしたツールは活用できない。私も評価しただけに終わってしまった。
その後、GoogleはWritelyやiRowsを買収し、それらを統合してGoogleAppsなるものを発表した。巷で評判になっていたGooGleオフィスなるものだ。グループウェアであり、Wikiでもあるし、ASPともいえるし、数年前からの流行り言葉でいえば、SaaSでもある。あるいはWaaPとでもいえよう。 日常的に二台以上のパソコンを使っている人にとっては便利なツールである。筆者はかねてからすべてのリソースをパソコンのHDDではなくWEBサーバに保存して、いつでもどこでもネット環境であらゆるリソースにアクセスできることを望んでいた。それが技術的に可能になり、スピードもセキュリティも向上し、費用的にも個人でまかなえるくらい低価格化した。 仕事でも個人生活でも、Webアプリケーションが活躍している。利便性が飛躍的に向上した。これから本格的に普及するだろう。しかし、GooglAppsはまだ発展途上にある。買収したソフトと自前のソフトが混在しているためだろうか一貫性に欠け、機能の重複もあって使いにくい点もある。 筆者は、Googleが買収する前からWritelyやiRows、あるいは四半世紀も前からあるUsenetを使ってきたから、それぞれの機能や使い方が分るし、それらの連携の仕方も理解できる。しかし、一般人が使いこなすには無理がある。何がどうなっているのか分らず、迷路にはまってしまうだろう。 GoogleAppsと同等のZohoというのもある。これはGoogleApps以上に機能が豊富で使い勝手もいい。しかし、Zohoもいまだインテグレーションの途上にあるといわざるを得ない。一貫性のある機能に統合され、洗練されて、一般人が使えるツールに成長するまではまだ時間が必要だろう。 さて、巨人Googleが目指しているのは、マイクロソフト帝国崩壊後のあたらしいWebサービスプラットフォームの世界である。その道は荒削りだが、いくつものベンチャー企業という支流を巻き込んで大河に成長してきたが、あきらかにスピードが鈍ってきた。ベンチャー企業のようなスピードは得られなくなっているのだ。 Wikiの世界では大きな遅れをとってきたGoogleで、じつに中途半端なWiki機能を取り込んだだけに終わっている。筆者は、数年前からMediaWiki, TikiWiki, PukiWiki, TiddlyWiki, FSWikiなど十指にあまるWikiエンジンをサーバに設置して試用してきた。 そのなかで最も機能が豊富で、使い勝手がよかったのが、JotSpot であった。これはほかのWikiエンジンとは異なり、最初からSaaSとして提供することを考えて開発された。開発者は、あのExcite創業者だ。 二年前だっただろうか、JotSpotにアカウントを作って使っていた。その頃、日本の確かPukiWiki開発コミュニティだったと思うが、開発したい機能がほとんどJotSpotに入っていて、大変な危機感と屈辱感に襲われていた。Wikiエンジン開発では日本勢も活躍していたが、いまは影を潜めてしまった気がする。筆者が作った評価用サイトは放置したままなので、その後のWikiエンジン進化の過程をウオッチしていないから分らない。 GoogleがJotSpotを買収後、どのように進化したのかに好奇心がうずいて試しにこのサイトを開設した。友人のU氏が、M&A関連の記事を日経ネットに書いた。その中に、M&A事例として「消費者向けポータル・検索サイトベンチャー企業(J社としよう)の買収」を取り上げている。ピーンときた。J社とはJotSpotのことだろう。それで思いついて、このGoogle Siteを使っているというわけだ。 いま開設して、最初のHomeページを書いているだけなので、このSitesがどんな機能を持っているのかはまだ分らない。第一印象は、Wikiの匂いは消してあり、サイトビルダーの体裁をとっているということだ。それも素人でもすぐに使えるようにしている。 三年ほど前は、WikiとWordとExcelの匂いがプンプンしていた。亜流だなぁという気がしたが、バラバラに作られた機能の寄せ集めではなく、最初から一貫した思想で開発しているということが分るような設計、アーキテクチャだった。だから使いやすかった。そうしたWikiやWord、Excelなどの機能はすべて、一つのページを作るときの一機能として組み込まれている。 否定的にみれば、十数年前からあるWYSIWYGエディタでありサイトビルダー、あるいは一般受けする言葉で、ホームページ作成ソフトだといってもよい。過去のソフトの匂いは隠れて、洗練されたという気がする。Googleドキュメント(Docs&Spreadsheet)よりも使いやすくなっている。 スピード(レスポンス)と信頼性、可用性、共有性などを継続して評価していこうと思う。 (2008-8-30記) |